秋祭り

 

夜店の香りが薄らいだ
人のまばらな山沿いを
わたあめを片手にうつむきながら歩く

林の裏からおはやしが
ちょちょいと袖をひっぱるけれど
下駄の鼻緒がこすれて痛いし

からんころん
ころろからん

襟の隙間に秋風が吹くから
恥じらうように手を添える

とんとんひゃらら
しゃんひゃらとん

おこっているかしら?
前をいくあなた

あぁこのわたあめと風さえなければ
手をつないで歩けたのに

かららんころん
ぴ〜ひゃらら

ふいにあなたが振り返り
わたあめを取り上げ

ぺろり

そして一言

「……手」

たまには祭りも悪くないみたい

 


以前にBBSで書いた詩を読み直しててふと思いついた詩
夏祭りもいいですけど、秋祭りもまた違った風情があって好きです。
でも最近はあんまりいってないなぁ……