ひとひら


朝陽が深山より身体を起こすとともに
僕も目を覚ます

薄ぼやけた頭をふりながら
さっきみたはずの夢の花々を
抱きかかえようとしたけれど

それはほんのわずかな隙間からこぼれ落ち
明け空色のシーツへと染みこんでいく

ただその余韻にひたりながら
たった一つだけ残った花弁を
僕は優しく両の手で包み込む

それは
雲間から射す天使の階段にもにた

きみの笑顔だった……

 


淡い光の中から贈る唄