冬
木枯らしに踊る雪虫が姿を消して
にぎやかさをとりもどした街に
真っ白な雪が音もなく訪れる
僕のいない空の下で
きみも今この贈り物を
見上げているのだろうか
もう少し寒くなったら迎えにいくよ
それまではいつか送った手紙を
僕と思って眠るといい
寂しい気持ちにさせているのはわかってる
ごめんよ
それでもこうやってこの薄暗い空が
君に祝福をもたらしてくれているようにと
そんなふうに願うことしか
今の僕にはできなくて
左腕のあたりがやけに冷える
二人歩くたびにいつも君がぶらさがるから
袖はすっかり伸びてしまったね
この雪があたりを覆い隠してくれたなら
僕らのこの切なさも少しはまぎれるだろうか
世界の祈りの数だけ
いま
やさしさが舞い降りるから
やがてそれは頬をつたい
君の笑顔となって
僕の胸にゆっくりと積もりゆく
ついに今年最後の季節詩「冬」です。
締めはやっぱりせつなく、しっとりという王道で(笑)
無事にこれをお送りすることができて、ほっとしています。
さて、今年ももうまもなく終わりを告げ、2005年がやってきます。
それと同時に当サイトを設立して一周年を迎えます。
来年はいったい何が待っているのか……今から楽しみです。