この影が届くとき


放課後の下駄箱で
君が通りすがるのを
手に汗かきながらまつ

「今帰りなんだ?」

なんて
視線泳がせながら
夕日が照れくささを
隠してることを願うのさ

憎まれ口をたたきながら
正門までの道のりを
いつもより速度を落として歩く

わずか数分の恋人ごっこ
ひとりよがりだなんて

そんなことはわかってるさ

もう時間がないことだって
ずいぶんと前から気づいてる

ただタイミングがみつからないだけ

柄にもなく星占いをあてにしてみたけれど
いつだって僕の星座は輝かない

こんなに近くで君が笑っているのに
伝えたい気持ちは内ポケットで居眠り

校門に僕らの影が寄り添いながら届いたならば
そのときは……

絵にも描けない僕の恋わずらい


合い言葉は「青臭くいこう!」です(笑)
きっと誰にでもあった、もしくは進行中の一コマ。
あぁ……むずかゆい