空の真ん中


さっきまでの小雨は
いつのまにか泣きやんで
わたしはゆっくりと傘をおろす

落ち込み色の雲に
ぽっかりとあいた水色の空が
あんまり清々しいものだから
なんだか空の真ん中に立っている気分になった

いつもなら顔をしかめてしまう冬風も
今なら両手を広げて受け止められる

この気持ちを
誰かと分かち合いたいと思えたから
もう大丈夫

口元を隠していたマフラーをはずし
一番深いところまで空気を吸い込んでみよう

ほら

ちょっぴり新しい自分になれたよ

 


特別な風景に逢えた喜びを
あなたにも感じて欲しくて……