覚えているよ
夜中にふと目が覚めるたびに思う
別れの言葉とは
哀しみなのか
優しさなのか
最後の瞬間を覚えてさえいなければ
いつしかこの想いも
風の花にのって消え去ることもできる
けれど
最後の瞬間を覚えてさえいられれば
いつでもあの頃は
記憶の扉をたやすくあけて蘇らせられる
慈しむことを愚かだと嗤う人もいるだろう
振り切ることを冷たいと軽蔑する人もいるだろう
どちらが”正しい”のかなんて
それは誰にも決めつけることなんてできない
ただいえるのは
いま僕にいえるのは
それがこの先の自分にとって
強さに変えられるかどうかということ
虹が七色という国があるように
虹が五色という国があるように
歩むべき道は人それぞれで
踏みしめる草のにおいもまたそれぞれ
決めつけることはないのだろう
哀しみであれ
優しさであれ
僕はいま君を覚えている
いつか僕自身に終わりが訪れたとき
君に「ありがとう」といえるように
別れの言葉を愛しいその気持ちのままに
やわらかく抱きしめていよう
想いの形が人それぞれなように
想いの昇華のしかたも人それぞれ