ささやかなる歌
きらびやかなだけで
笑えるほど薄っぺらい毎日を
いったいどれだけ積み重ねれば
折れ曲がったこの心を
立て直すことができるのだろう
たったひとつの願い事も
みっつ数える前に空に消え
やるせなさばかりが増えてばかり
そんな僕らにささやかなる歌を
名も知らぬ花の姿を慈しみ
流れ続ける穏やかな雲にやすらぎ
どこかの誰かの笑い声に心あたためる
そんなささいな喜びに気づかせてくれる歌を
昨日と今日と明日を
瞳や耳や肌で
おしみなく愛していくために
ほんのちょっとのことに気づくだけで
案外日常はとてもここちよいものに様変わりするものです