その先にあるもの


平穏を斜めから眺めたいわけじゃない
刺激がなにも欲しいわけじゃない
穏やかな風に逆らいたいわけでも
くみ上げたピースを壊したいわけでもないの

ただなにかが違うと
頭の隅で踏切のベルが鳴り響く

虚弱体質なわたしの心は
色づく前に枯れ果てた紅葉のように
魅せたかったはずの自分を破り捨てる

どうしようもない
でも
どうにかしたい

仮面をつけていられるほどの
強さも持ちあわせていないわたしは
ひどくねじ曲がった壁に
何度も額をぶつけては
錆色の涙を流す

この耳の奥でささやく血のたぎりが
すべて流れ出てしまったならば

いくらかは救われるのだろうか

遮断機はまだ上がらない
でも

いつかかならず
その向こう側の景色に逢えるはずだから


止まない雨がないように、抜けないトンネルがないように、頂上のない山がないように
上がらない遮断機はない。
暗澹たる気持ちだって、その先に行こうという気持ちさえあれば
きっと道は視界の先に広がるはずだと
そういう思いを込めた詩……