煙草
煙草って身体に悪いですよね。
自分にも他人にもいいことなんて何一つない嗜好品……
それでも煙草を吸うことを止めることができないでいる。
どうしてでしょう……
単純に依存症であるとか手持ちぶさただからと理由はあるのでしょうが、私にとっての煙草というのはそれだけではないのではなかろうかと、ときどき想ったりします。もちろん上の理由もあるのですけどね。煙草を吸い始めたきっかけは……まぁ、ありきたりかつ恥ずかしい話ではあるのですが、昔彼女と別れたことがきっかけ。
青臭い話……
それまでにも学生の頃、高校だったかな? いろいろと悩みとかで吸っていたことはあるのですが、その時は一時的なもので、一本吸ったところで「あ〜こりゃただの逃げだなぁ」なんてそのたびに思ってすぐに全部捨ててました。
一種の気持ちの切り替えをするための最終手段みたいなものだったわけです。でもそのとき(彼女と別れたのがきっかけのとき)は違いました。
何かで自分を"落とす"ことをしていなければ感情を制御することができなかったのです。
意識的に駄目な自分を作り上げることで平常心を保つ、という"作業"が必要だった……とでもいえばいいのでしょうか。
その恋がどんなものであったか、というのはここでいうようなことではないのでいいませんが、私にとってそれほどの出来事だったのです。
以来、私はずっと煙草を吸い続けています。
とはいえ、いまとなっては吸う理由も少しかわっています。どうやら私は恋愛体質らしく……正しくは違うかな? あの恋をしているときのなんともいえないもやもや感がたまらなく好きなのです。
胸の隅っこの方でなにかがひそひそ話をしているような感覚。むずかゆくて、あったかくて、せつなくて、おちつかなくて、そしてどんなときよりもおだやかな気分になれるあの感覚が……それがなんだか煙草を吸っているときの満足感と吸っていないときのイライラ感に似ていて……そう感じるのは私だけかもしれませんけどね。
いい換えれば私にとっての"煙草"は"恋"なわけです。
自分でもなんとも気障とかクサいとかは思うのですけれど……でもやっぱりそうなんですよね。いつでも恋をしていたい。恋する気持ちを忘れないでいたい。
そうどこかで思っているのかもしれません。
恋に恋しているといってもいいのかもしれませんね。
もちろん、本当の恋が同じものだなんて思ってはいませんけど。そうやって気持ちや感情を大事にすることを忘れないでいられれば、人の想いも大事にできるような気がするから……だから私はいまはまだ、煙草を吸うことを止めません。
周りの煙草を吸われない方、ごめんなさい……
できるかぎり……最低限のマナーは守ろうと思いますので許してください……でもまた料金上がるんですよね…………む〜やっぱり禁煙しようかなぁ
なんてことを、やっぱり煙草を吸いながら考えていた夜の話…………