誰がために在る翼

高く 高く どこまでも
この翼折れるまで高く 想い映す月を越えるまで……


僕は誰からも望まれず生まれたと
つまさきを地面に打ち付けていた頃
この指先は自分のためだけにあった……

宙を掻きむしる両手はただ虚しく
希望の鳥は遥か遠くで手招くばかり

掴みたい……欲望が翼となる

遠く 遠く 空の果て
この力つきるまで遠く 柔らかき君に出逢うまで……


君は全てから愛されて生まれたと
仄昏い気持ちで胸を焦がす僕は
木洩れ陽のような笑顔に涙さえ流す

けれどその日見た寂しげな瞳に
辿り着くべき場所は君の隣だと知った

月となり……いつでも守り続ける

脆く 儚い 細い肩
冷やす風包み込むように あたたかき翼捧げよう……
高く 高く どこまでも
この翼折れるまで高く 想い映す月を越えるまで……

 


自分とは対極にいると思うような人でも
よくみると似てるところがあったりしませんか?
そういうときってなんだか親近感沸きますよね