ヴァレンタインイヴ

いつもどおりな休日に僕は
君が忙しげに部屋を掃除する音で目を覚ました

寝ぼけまなこな僕に
不機嫌そうな顔で珈琲をいれてくれるキミ

ばつが悪くて
背中を丸めながら新聞を広げる
やたらと今日は
おしゃれなレストランの広告が多い

ふとあくびをかみつぶしていると
後ろから頭越しに
真っ赤な包装紙にくるまれたプレゼントが
何の言葉もないままにさしだされた

受け取って質問をしようと振り返ると
君は掃除機をかけてる真っ最中

包みの中には
「for you」
と書かれたチョコレート

君は洗濯機に向かって鼻歌
僕は珈琲片手にチョコをひとかじり

それは甘くて
とても優しい味がした

 


2005年のヴァレンタインは平日でしたね。
長い間一緒にいるとこんな感じになれるでしょうか(笑)
特別な感動はないかもしれないけれど
やっぱり特別な日になるといいなぁ……なんて