我等大樹なれば


この世界は一つの大樹のよう
我こそはと空の恵みに手を伸ばし
遙かなる高みを恋い焦がれる

けれど光のみで我々は生きることはできない

大地に根をはり
数多の命を吸い上げ
時に隣人の葉を枯らすことで
自らの緑を映えさせる

奪い 支え 育み 芽吹き 枯れる

星々の裏側を覗く日が訪れれば
この営みは終わりを告げるのだろうか

いや

また次の光を目指すだけだろう

やがてその身の重さで
倒れてしまわないように

ただいまはそれだけを憂う

 


生きるということは
綺麗事ばかりではない
そしてとても危ういバランスのなかで
この世界は保たれているのだと思います。