夜に紅茶を あなたに花を

つぶやきをひと雫
銀のスプーンですくって溶かし
ため息をひとつかみ
はらりと落とせばできあがり

それは月を映したまどろみの紅茶

ひっそりとした夜
とてもとても贅沢な時間
今日はひとり占めして楽しもう

咲きかけのままいくつもの季節を巡った花が
盛大なあくびとほんのちょっぴり涙を浮かべ
ながいながい眠りから目を覚ます

なんという名の花だったか
いまとなってはもう忘れてしまったけれど
あたたかい響きを持っていたような気がする

それは愛だったかそれともやすらぎだったか

夜霧に遊ぶひとりきりのお茶会
椅子をもう一脚
おそろいのティカップと一緒にだしておこう


予感めいた夜。
あなたは誰と過ごしますか?