失わぬ恋
これが何度目の恋だったのか
気づいたときには
僕らは恋することを知っていて
気づかないうちに
僕らは恋しさに襟元をつかんでいる
これは何度目かの恋だった
けれどいつだってそれは
新しくて
初々しくて
瑞々しくて
どれだけ繰り返しても
嬉しさや切なさに慣れることはないんだ
これから何度恋をするのだろう
塗りつぶされることもなく
ただ記憶の底に漂わせることを
どうか許してくれないかな
恋したことに僕は胸を張っているよ
綺麗事だといわれたとしても
それらがこれからの僕を形作るだろうから
何度目かの恋よ
すべては胸の奥にそっとしまったまま
言葉だけは
さようなら
悲しみを糧にして
またひとつ僕らは大きくなる